2010年08月20日

ヴィタス(2)

ズドラーストヴィーチェ!(こんにちは!)
カーク・ディラー?(ごきげんいかがですか!)

さてさて。
本ブログ、「だれも知らないロシアン・ポップスの魅力」の女性ファンのみなさ〜〜〜ん!
(って、いるのかな〜?)
はい! 今回は、イケメン・ヴィタスの第2回目です!

お届けする曲は、ヴィタスの記念すべきデビュー曲、「オペラ NO.2」
あれ? 前回のは「オペラ NO.1」だったのに、この「NO.2」のほうがデビュー曲? どうして??

…。私も知りません。(^0^)!

そんなことより、もちろんこの曲も、彼の特長である、あの超高音ボイスがしっかりフィーチャーされてます。まずは歌詞の内容を…。

やっと完成したぼくのアパートの部屋、
でも、ぼくはまだひとりぼっち。
ドアが背中でバタバタと音を立てる。
そして、秋風が窓を叩いて、ぼくのことを泣いている…。
夜の雷雨、朝の霧…。
日の光はすっかり冷たくなった。
むかしの哀しみが、次から次へとよみがえってくる。
ああ、どうせならまとめて来やがれ!
でも、これは運命なんだ。だから、ぼくにはどうにもならないんだ!
ただ、ぼくが消え去ったあと、
風が大声で嘆き悲しむだけ…。




ちょっとブッキーなシーンもあるクリップでしたが、「ひょっとして、ヴィタスの超高音ボイスは、彼のこの身体的な秘密にあったのか!」と思ったかた…、
せ、せ、正解で〜〜〜す!!(^0^)!
なわけ、ありませんね。
彼の首にあったエラは、単なる特殊効果でした…。

まさに、驚異的なファルセット・ボイスを駆使するイケメン・アーティストの衝撃的デビューに、国民はびっくり!
でも歌詞とクリップの内容から見ると、な〜んか、ロシアのアキバ系オタクの、内面吐露、トロトロ〜〜!みたいな内容ですが、これが、なぜか当時のロシアの若者(男女)に、爆発的に受けちゃったんですね〜〜〜!!

思うに、特にロシアの若者に共通の、行き場のない怒り! やるせない哀しみ! 満たされない望み! 報われない夢! 食べられないスシ! 買えないアルマーニ! 行きたくても行けないディズニーランド!(だれか、とめろ〜ッ!!)…。
こんなうっ積した「巨大な不満のマグマ」を、「魂の絶叫だあっっっ〜〜!」でもって代弁してくれるヴィタスに共感したんでしょうか…。
この曲の爆発的ヒットの背景には、当時のロシアの社会状況も密接に関係していたのかもしれません。

つまり、旧ソ連・社会主義の崩壊後、だれもが(特に若者が)、
「オレたちだって頑張れば、これからはアメリカみたいに、スゲー大金持ちになれるぞ〜〜!」
って夢見て、テンションとモチベーションが一気に上がったのに、実際は一部の特権的人間たち(そう。エリツィン一家とロシアの新興財閥ですね)にだけ、とんでもない「富」が集中してしまったのでした(なんと、国全体のお金の50%以上!)。
なんのことはない。以前とまったく変わらない、そしてチャンスさえ与えられずに貧しいままの自分たちがいる…。
ってことで、社会全体(モスクワから、シベリア、極東のロシア人まで)に相当な失望感と不満感が広がってたんだと思います。

ロシアは、結局、昔も(一党独裁の共産党、ソ連崩壊後の大統領エリツィン)、今も(首相のプーチン、大統領のメドヴェーデェフ)、富と権力が特権階級に集中する構造が変わってないのですね。
(なんてったって、ロシアは世界に冠たる「偉大なる田舎!」です。
おそらく、50年、いや100年たっても、この状況は変わらないでしょう…。(^0^)!)
う〜〜、ロシアのふつうの人たち、か、か、かわいそうですね〜〜〜〜!(涙ぼろぼろ)


さてここで、本ブログのなにより大切な女性ファンのために(だから、いねーって!)、今回は特別に、ヴィタスの魅力的な曲&クリップをもうひとつ、ご紹介しちゃいましょう!!

曲の題名は、「第七元素」です。(って、不思議なタイトルですね…。)
で、歌詞の内容は、いたってシンプル。

ぼくはこの歌をきみにささげるためにやってきた。
夢の世界から。
ぼくはこの歌をきみにささげるためにやってきた。
ガラスのような涙から。
ぼくはこの歌をきみにささげるためにやってきた。
愛のために…。


…ほとんどこれだけです…。
では!!


これは、2002年に、モスクワのクレムリン(赤の広場)にある、歴史と伝統を誇るクレムリン宮殿で行ったコンサートですが、ロシア、ポップス界史上、この会場でソロ・コンサートを開いたのは、弱冠21歳だった彼が最年少!
つまり、当時、彼の人気がいかにすごかったかを証明しているということなんですね〜〜。

そ、それにしても、すごいステージ衣装ですねぇ…。
いったい、なんなんでしょうか、このとんでもないロンドン・ブーツ! そしてパンタロン、というかベル・ボトム(←死語!?)!!
さすがに、ゆっくり歩かないとコケそうです…。
これって、おそらく、30年前以上のファッション・スタイルですよね。

デビュー当時、彼は必ず、この不可思議な衣装を着ていました。(おそらく、彼自身のデザインです)
でも、こんな超アナログ・スタイルが、なぜか超モダンに感じられてしまう、ヴィタスの超不思議なセンス!!(^0^)! わたしは、こんなヴィタスが大好きで〜〜す!

にしても、超高音で舌をころがして歌う場面はなかなかですね〜。
(会場のおばさんも、一瞬ゾクッときてましたね…!)
それと、彼のこけしのような頭の動かし方、くねくねした独特なからだの動き、意味深な流し目(!)はヴィタス独特のもので、実はこれがまた、ファンにはなぜか、たまらなく「超セクシ〜〜!」に感じられちゃうのです!

あと、ぜひ注目してほしいのは、イントロ部分や、曲の要所要所に登場して、エキゾチックなイスラム風のメロディを歌う、バックコーラスの黒髪女性の存在です。
(まさに、正当派イスラム系美人! おそらく、ロシアン南部のグルジアか、アゼルバイジャンか、モルドバあたり出身の女性でしょう。ここに住んでいる人たちは、民族的にはスラヴ系ではなく、大半のルーマニア人のように、おそらくインド系+ラテン系の血を引きついでいる「ロマ」と呼ばれている人たちです)

彼女が歌う鋭角的な旋律といい、タイミングといい、鋭いこぶしといい、ちょーイケてる!
って思いません??(思え〜〜!!)
わたしなどは、彼女が合いの手(?)を入れるたびに、もうからだがゾクゾクして、鳥肌が立ってしまうのです…!

ポップなメロディに異民族系の旋律を何気なく取りこんで、ちょっとスパイシーで独特の風合いに仕立ててしまうあたり…、
い、い、いいですね〜〜、ヴィタス! そしてロシアン・ポップス!!

…。

ところで…、

ヴィタスの最初の曲「オペラ NO.1」のクリップの真んなかあたりの間奏部分で、彼がさびしそうに裸の背を向けて、アコーディオンを弾く場面があったのを覚えてますか?
実は、これこそロシアン・ポップス独特な味つけなんですね〜。

え? なにが??

はい。
まずみなさんは、アコーディオンなんていうと、「古〜〜っ!」「ダサ〜〜っ!」と思うかもしれません。
でも、ロシアでは今もむかしも、アコーディオンは庶民にとって、もっともポピュラーな国民的楽器なんです。(画像リンク)

もちろん、むかしから、ギターも人気があります。
でも、アコーディオンにくらべたら、ギターの地位は、はるかに下です。

え? どうして??

はい。
アコーディオンは、まず、両手で弾けます!
まず、演奏者の左手側に小さなボタンがいくつもありますが、そのボタンをひとつ押すだけで、なんと和音が出てきます!!(ベースのような、低い単音が出るボタンもまじってます。)
そして、右手側はメロディー担当の鍵盤になります。(見りゃ、わかるわい!)
ちなみに、右手側は、丸いボタン式のものと、ピアノのような白黒の鍵盤のものの二種類あります。つまり、左手で和音とベースを弾き、右手でメロディーを弾くわけです。(もちろん右手でも、ピアノと同じように和音が出ます!)
こんなすごい楽器、ほかにはまずありません!!

え? なぜ??

だってまず第一に、出そうと思えば、一度にものすごい音の数が出せちゃいますから。
「んなの、ピアノだって同じじゃん」と思うかもしれませんが、ピアノは大きすぎて、持ち運びができません!(熊みたいなロシア男なら、ひょいひょい運んじゃうかもしれませんが…。)
しかも、値段が高すぎて、庶民には手が出ません。
その点、アコーディオンはどこにでも持っていけます。そして、値段もピアノにくらべたら、激安!です。

もちろん、電源なんか必要ありません。
ということは、室内はもちろん、野原でも、海辺でも、公園でも、森の中でも、飛行機の中でも、車の中でも、電車の中でも、トイレでも、入院中のベッドでも、山の頂上でも、峠の茶屋でも、立ち飲み屋でも、ラーメン屋でも、銀座のクラブでも、池袋のキャバクラでも、六本木の高級レストランでも、神保町を歩きながらでも、皇居のまわりを走りながらでも、箱根で駅伝しながらでも、ニューヨークでフルマラソンしながらでも、(と、とめろ〜〜っ!!)、もう場所を問わず、弾きたい!と思ったら、どこでも弾けちゃうわけですね〜〜!!

なにが言いたいかというと、形と用途こそ全然ちがいますが、ケータイの便利さとまったく同じなんですね。
な、なんと、ピアノ、いやオーケストラなみの音の世界がケータイできちゃうんですから!!(ポケットには入りませんが…。)
す、す、すごいですね〜〜〜、アコーディオン!!

そしてロシア人は、どこか哀愁をおびた、どこか郷愁をさそう、このアコーディオンの音色が大好きなんです。

ちなみに、アコーディオンは、ロシアでは「ガルモーニ」といいます。

ロシア人は、家族、親戚、友人の誕生日はもちろん、とにかく、なにかにつけてしょっちゅう家に人を呼んで、ホーム・パーティをするのが大好きです。
(ロシア人は、まずほとんどレストランで集まってパーティなんかしません。費用はかかるし、なにより、サービスが悪い、メシがまずい! 家庭料理のほうが断然おいしいですから! 一般人がレストランを利用するのは、さすがに家ではスペースが足りない結婚式のときぐらいです。)

そんなとき、必ずといっていいほど、招待した親戚、友人のなかになぜかひとりは、ガルモーニを弾ける達人がいたりします。(もちろん、彼はこっそりガルモーニを持参してます。)
それぐらい、ロシア人にとっては、(いまでも!)ガルモーニが大切な生活必需品なんですね。

で、ロシア人は歌が大好きですから、男はウオッカ、女性はワインやコニャックを飲んでほろ酔い気分になっていくうちに(宴が始まってからだいたい30分後ぐらいで)、だれとはなく、「さ〜て、同志諸君! そろそろみんなで歌を歌おうじゃないか!!」と言い出して、それから延々と、あの大昔の「新宿歌舞伎町裏通り歌声喫茶」状況が続くことになります。(そんな昔、知らんわ!)

すると、それまでただのメンバーの一員、あるいは、ただの飲んべえのひとりだった、隠れガルモーニの達人が、いちやく主役に躍り出ることになります!
驚くのは、その彼が、みんなが歌いたがる歌のほとんどを、ちゃんと演奏できることなんですね!
つまり、生バンドのカラオケ、日本でいえば、今はなつかしい、ギター一本で勝負する「流し」のおじさんみたいな感じでしょうか。

では、そんなロシアの、ふつーのホーム・パーティの様子をちょっとのぞいてみましょう!


あいかわらず、男どもはがんがん飲んでますね〜〜、ウオッカ!
女性陣は、以前お話しした通り、一応、ワインで抑えております。
お酒にガルモーニと歌が加わって、メンバーのテンションが一気に上がっていくのが、よ〜〜くわかりますねぇ〜!

ダンスを始めた酔っぱらいのおじいちゃん、赤ちゃんを振り落としそうです!
うしろで、おばあちゃん、「あんた、いいかげんにしなさいってば!」と背中をバシバシたたいてます。
いったい、このハイテンションになってしまった酒宴は、このあとどうなっていくんでしょうか…?
こ、こ、こわいですねぇ〜〜! ロシアのホーム・パーティ…。

ちなみに、このガルモーニには大きさもいろいろあって、一番小さいタイプのとってもかわいいものは、「ガルモーシュカ」といいます。
(はい、そうですね。以前ご説明した、ロシア人の名前の愛称のように、愛らしいもの(あるいは、小さいもの)には、単語の語尾に、なんでも「〜シュカ」をつけちゃいます。)

とにかく、ロシアではどの家庭に必ず一台はあるような国民的な楽器なので、子どもは、小さいころから、おじいちゃんが弾くのにあわせて歌をうたい、おとうさんが弾くのにあわせてダンスをし、自然に自分で弾きはじめちゃう子も多いんですね。

では、日本でもいまだに森林火災が起きそうなくらい「クソ暑い!!」日が続いてますので、ここは暑中見舞いということで(意味不明…)、まだ幼い女の子がガルモーシュカを演奏する、とっても愛らしいクリップを特別にご紹介しちゃいましょう!

ちなみに、彼女が歌うのは、「チャストゥーシュキ」という、昔から歌いつがれてきた、ロシアのわらべ唄みたいなもの。とても短くて、ユーモラスな内容なのが特徴です。

ではどうぞ!! → 画像はこちら

か、か、かわい〜〜〜〜〜ですねぇ、ロシアの女の子!!
もう、眼が真っ青!
歯もまだぜ〜んぶ乳歯です。(こまかい…)
しかも、イスにすわったちっちゃな足が、なんと地面に届かないで、ぶ〜らぶらしてます。(^0^)!
(この状況でリズムをキープするのは、おそらくプロでも至難のわざでしょう!)
にもかかわらず、この左手(和音とベース担当)のみごとな動き!!
す、すごいですね〜〜〜、ロシアの女の子!

この女の子みたいに、ガルモーシュカを弾く子どもは、いまでもロシア中にたくさんいて、広いロシアに無数にある、すばらしいロシア民謡を自然に受けついでるんですね。

ま、この「ロシア人とガルモーニ」というテーマだけで、ゆうに10回分くらいブログが書けちゃうので、いずれまた折りを見てご紹介したいと思います。

というわけで、今回はひさびさに音楽一本に的をしぼり、盛りだくさんの内容でお届けしました!

ではどうか、ぜひまた本ブログにお越しくださいexclamation×2

ダスビダーニヤ〜〜!(さようなら〜〜〜〜!)
(続く)

posted by クミートリー・ヤクーニン at 17:27 | Comment(2) | TrackBack(1) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月10日

ヴィタス(1)

ズドラーストヴィーチェ!(こんにちは!)
カーク・ディラー?(ごきげんいかがですか!)

いやー、このブログも、はや11回目。
みなさん、そろそろ、ロシアン・ポップスの魅力に少しずつ取りつかれてきてしまったのではないでしょうか。

え? まださっぱりわからん?
わかりました。
では今回は、ロシア国内だけではなく、世界的に注目されている男性ソロ・アーティストをご紹介しましょう!

その名は、ヴィタス
ちょっと前に日本のテレビでも紹介されたことがある(らしい)ので、ご存知のかたがいらっしゃるかも。

まずは色白(美白!)、長身、ちょっとキアヌ・リーブス系のイケメン! 
これだけでも人気が出ますね。
しかし、彼がすごいのは、な、な、な〜〜〜〜んと、5オクターブ半という、チョー驚異的な声域を持ってるってことなんです。

もっとわかりやすくいうと、通常の低音からとんでもない超高音まで声を出せちゃうってこと。そう、超ファルセット唱法が売り物なんですね。
ふつーの人(そう、あなたです)の声域は、ま、せいぜい3オクターブぐらいでしょうか。
(はい。では試しに、自分が出せる一番低い音からド、レ、ミと順々にを声を出していって、いったいどれくらい高い音までいけるか、やってみましょうっ!)

どうです?
5オクターブ半ってのがどんなにすごいことか、おわかりになったと思います。

なにはともあれ、実際のヴィタスを、まずはご覧いただきましょう!
曲は、「オペラ NO.1」

歌詞は短すぎてほとんど意味不明なのですが、ま、とりあえずこんな感じです。


人はいつも多くを望みすぎる
だから、わたしたちの心は苦しむ
そして、秋風のなかでよろけてしまう
でも人は他人の喜びで満たされ、
他人の恐怖におののくもの
わたしは、そんなあなたたちを抱きしめてあげよう。
そして小さな幸せをあたえよう。
そうすれば、虫たちがその光に押し寄せるほどに、
あなたたちは輝き始める…。



なにやら、宗教じみた内容ですが、クリップもそのま〜んまです。
では、彼のイケメンぶりと驚異の声域を、どぅおお〜〜〜ぞっ!!


ま、どこかアジアの、とある場所に新しいグル(宗教の指導者)がやってきて、人々を感化してしまう…、といった内容ですね。
どうやら、ヴィタス演じるこのグルの武器は、その強烈なファルセット・ボイスのようです。

彼をあがめる信者たちは、まさにその耳をつんざく強力なエネルギーに、思わず洗脳されちゃってるって感じ…。
(これって、品を替えれば、オームの売り物だった「にせ空中浮遊」でしょうか…。(^0^)!)

しかし、ヴィタスが超高音で絶叫する場面は、あまりの力みで、こめかみの血管が「ぶちッ!!」と切れそうな迫力ですね〜〜。(汗)

ここで、もう少し、ヴィタスのプロフィールを追加しておきましょう。

彼は、旧ソ連諸国で現在のバルト三国のひとつ、ラトビアで、1981年に生まれました。
国籍は現在のウクライナです(これも旧ソ連諸国)。
で、途中は一気にはしょって(というか、情報がありません…)、19歳のときの2000年、ロシアのポップス界に突然デビュー!
繰り返しますが、その美貌と不思議な個性、そして驚異的な歌唱力で、一躍大ブレイクしちゃいます。

加えて、彼の人気の秘密は、その音楽的ジャンルの幅広さにもあります。
デビュー当時は、当然ながら、戦略的に若者が大好きな、テクノ、トランス系を前面に押し出しましたが、その後次第に、ロシアのおじいちゃんおばあちゃんが思わず涙してしまうような歌詞と、もの哀しいメロディの、いかにもロシア的なロマンチック・バラードを連発して、これまた大ヒット! 年齢を問わず、ロシア国民全体の心をがっちりとつかんじゃいます。
(これは商業戦略というわけでなく、どうやら、もともと彼は非常にロマンチストで保守的な性格のようです。)

あと、彼がえらいのは、ロシアのポップス歌手にはめずらしく、作曲も作詞もほとんど自作という点です。
ロシア国民は、彼の個性と才能にすっかり惚れこんじゃったんですね〜。
というか、そのあと、世界(日本以外)も彼の魅力に注目するようになります。(あとの回で詳述。)


ところで…、

前回、ロシアではこの夏、異常な猛暑で死者(おもに酔いどれオヤジ)が続出していることをご紹介しましたが、その後、さらにほかにも深刻な事態が持ち上がっていることが、ニュースなどで報じられています。

それは、ロシア全土で発生している、“森林火災”です!!

日本人のあなたは、
「あのさあ、別にそんなのさあ、広大なロシアのさあ、だ〜れも住んでないような山奥で起きてることだろ? 町の一般住民にはさあ、たいした問題じゃないんでねーの?」
と、ほとんどイメージがわかないかもしれません。

ところが、事実はそうではありまっしぇん!(あれ? なぜか、福岡出身、魚柄仁之助風…。)

たしかにロシアは広大です。
人々が住む町は、せまい日本のように、すぐ横にあたりまえにとなり町としてつながっているのではなく、広〜い広〜〜い広〜〜〜〜い土地のなかに、ぽつんぽつ〜んと点在してます。

そんな町と町のあいだにあるのは、ひたすらえんえんと続く、巨大な森、森、森…。(あるいは、単に広大な草原、草原、草原…。)
つまり、一歩、町の郊外に出ると、ある瞬間から、手つかずの大きな森林(=大自然)が、こつ然と目の前にあらわれる感覚です。
(これは、モスクワやサンクトペテルブルグのような大都会でも同じです。)

で、ロシアの気候(空気)は、冬も夏も、ひじょーに乾燥しています。

たとえば、夏晴れ
もちろん日が当たるところはかなり暑いですが、日陰に入ると、突然ウソのように涼しくなります。風が吹いていると寒いぐらいです。
なので、「あ、ロシアの風、気持ちいいな〜〜」などとそのままのんきにくつろいでいると、すぐに風邪を引きます…!(汗)
というわけで、高級ホテル以外のフツーのホテルのフツーの部屋では、クーラーなんかありません。

つまり、こんなに乾燥した気候なので、とくに夏の高温時になると、なにかのきっかけで、ロシアの母なる森は突然、自然発火してしまいます!
(もちろん、ロシアのことですから、タバコのポイ捨てで火災になることも、多々あります。)

今年はロシアの気象観測史上、まれにみる異常猛暑なので、とんでもなく多くの場所で(なんとシベリアでも!)大規模の森林火災が起きてます。
でも実は、例年のフツーの夏であっても、この森林火災はごく自然に起きるんですね。

で、最初の疑問に立ちもどります。

ロシアの森林火災は、遠い山奥だけで起きることではありません。
森が町を囲んでいるような場所が多いので、そのまま放っておくと、自分たちが住んでる町のすぐそばまで延焼してくる、こわ〜〜い災害なんです。

森林火災がおきるとどうなるか?

まず、ものすごい煙が発生します。
その量はときには空を覆うほどで、町に流れこむと、深い霧のように、ほとんど10メートル先も見えないくらいになります。
そして、町中がものすごく焦げくさい匂いに包まれます。
(場合によってはむせるほどで、ふつうに息をするのもむずかしいくらいになります。もちろん、窓なんかあけてられません。)

それくらいならまだいい(?)のですが、非常に危険なのは、大丈夫だろうとあなどって、車で町と町を結ぶ道路を進んでいくうちに、そのすぐ脇にせまる森からの火と煙と倒木でとつぜん八方ふさがり状態になってしまうことです…。

以前、私も、夏にモスクワから郊外の田舎町に車で移動する途中、何度か道路が森林火災によるものすごい煙で通行止めになっていたのを経験したことがあります。

「またぁ〜。〜んなこと言ったって、たいしたことねーだろー?」

と、ロシアの大自然の脅威をバカにするかたがいらっしゃるかもしれませんので、わたしの話を証明するような、まさに緊迫感あふれる映像をごらんにいれましょう。

車に乗った若者たちの一行が、両脇が森の道路を進んでいくと、とつぜん燃え上がる火の海に遭遇してしまい、そのなかを命からがら通りすぎていくという、迫真の映像です!
(英語の字幕がついてますが、「止まれ!」とか「戻れ!」とか、かんたんな単語ばかりなので、彼らの会話がだいたいわかると思います! 今年の夏の、最新の映像です。)


付け加えておきますが、これは、彼らが別に燃えさかった森のなかに迷いこんだわけではありません。ふつーの道路をふつーに進んでいったら、突然、このようなおそろしい状況に遭遇したということです。
しかも、これは夜ではありません…。
日中なのに、ものすごい煙のために、とつぜんあたりが(町も!)夜のように真っ暗になってしまうという、と、と、とんでもない状況なのです。

先ほども言いましたが、これは別に地方で起こることではありません。
大都市モスクワの郊外でも、毎年のように、あたりまえに起きてることなんですね。

これが、ロシアです…。

こ、こ、こわ〜〜〜いですね、ロシア!!(大汗!)

…。
ああ〜、またも余談が長くなってしまいましたあせあせ(飛び散る汗)
今回は、「イケメン・ヴィタスと、ロシアの森林火災の恐怖」(なんのこっちゃ!)でした…。
どうか懲りずに、次回もどうぞお楽しみに!

ダ、ダ、ダスビダーニヤ!(さ、さ、さようなら〜〜〜〜!)
(続く)
posted by クミートリー・ヤクーニン at 15:04 | Comment(4) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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