2011年02月18日

イヴァン・クパーラ(3)

ズドラーストヴィーチェ!(こんにちは!)

前回にひきつづき、
● ロシアのバブーリャのすばらしさ・その2
―バブーリャは強い!


ロシアを根本的に支えているもの(そして、これまでロシアをず〜〜〜っと支えてきたもの)、そして、50年後、100年後、いや、未来永劫、永遠にロシアを支えていく、超普遍(不変)的なもの…。
私ヤクーニンが思うに、それは政治的、哲学的なイデオロギーや、ロシアに豊富な天然資源(石油とか天然ガスとか)なんかじゃありません。
そう、イデオロギーなんて〜のは、ソビエト社会主義が一日で崩壊したように、簡単に変わっちゃいますね。
石油も天然ガスも、ごく近い将来、必ず枯渇してしまいます。
この世界にまれに見る広大なロシアにおいて、おそらく永遠に変わらなず、残り続けるもの…。
それは、まさに今もしっかりと田舎(土着の土地)に根付いて、力強く、生命力豊かに生息している、これらバブーリャたちなのです!

子どもであれおとなであれ年寄りであれ、男子であれ女子であれ、貧乏であれ金持ちであれ、無名であれ有名であれ、プーチンであれ現大統領のメドヴェーデフであれ(たぶん)、ロシア人のすべてはバブーリャが大好きです。心から尊敬しています。

だから、自分のバブーリャだけには頭が上がりません。
子どもは、父親や母親やおじいちゃんの言うことには平気で反抗しますが、バブーリャには絶対反抗しません。
それくらい、バブーリャの存在は絶対的です。家族統合の象徴のような存在なんです。
(日本でも、たしかに「偉大なるおばあちゃん」はたくさんいます。でも、ロシア人のバブーリャへの絶対的な愛情と尊敬の念は、日本人がおばあちゃんに対して抱くそれとは、おそらく比較になりません。)

さて、ちょっと上のほうで、何気なく「子どもはおじいちゃんにも反抗する」と書きましたが、ロシアでは、「仕事しない」「浮気ばかりする」「酒ばかり飲む」「すぐに薬に手を出す」ロシア男子は、社会的にも家庭内でも、ある意味、非常に地位が低いです。
それに反して、以前のブログでも書いたように、ロシア女性は、ひとたび家庭を持った瞬間(子どもができたら)、それまでの、かわいい、きれいなだけの女性とは一変して、とんでもなく力強い、粘り強い人間に変容します。

その象徴が、ロシアのバブーリャですexclamation×2

「ロシア女性ってさ〜、たしかに若いころはきれいかもしれないけど、歳を取るととにかくみ〜〜んなデブになっちゃうよな〜〜」という先入観を持っている日本人が多いですが、それにはある理由があります。

バブーリャは、命をかけてでも、自分の家族を守ります。
そうなんです。
そのために、デブになります。

それは、家族のために、ひたすら生き続けるためです。


以前ご紹介したクリップで、「カストラマー」というロシアのとある田舎のバブーリャたちが登場しましたね。
鍬や鋤をかついで、ほこりだらけの田舎道をゆっさゆっさと行進していく彼女たちの姿は、まるで自分たちの家族や生活をおびやかす外敵から決死の覚悟で守る、強靱で頑強な民兵のようです。

つまり、ロシアのバブーリャというのは、まさにロシアの「強さ」「忍耐力」「生命力」そして「限りない優しさ」といった、あらゆる美徳の象徴なのです。
愛すべき家族には広大な海のように横たわり、家族の生活や命をおびやかすような、あらゆる憎むべき外敵(経済でも戦争でも)には切り立った大きな山のようにそびえる存在なのです。

特に社会主義時代のソビエトでは、母親は父親同様(あるいはそれ以上)、必死になって社会で働かなければなりませんでした。
じゃあ、家に残された小さな子どもを養うのは?
そう、バブーリャです。
料理、洗濯、掃除、買い出し、森でのいちご狩りやキノコ狩りなど、生活に関するすべてのことはもちろん、おつむを取り替えたり、遊び相手になったり、しつけや読み書き、道徳や人生の教育まで、小さな子どもたちに関するありとあらゆる世話をしたのは、そう、このバブーリャたちだったのです。
だから、年寄りでデブにもかかわらず、なんやかんやでほとんど休まず、家の中を一日中、非常にゆっくりですが動き回ってます。

みなさんもうご存じのように、ロシア男性は、60歳やそこらで死んでしまいます。
つまり、ロシアの男は、家族にとってほとんどあてになりません。
残されたのは、年老いたバブーリャです。

好むと好まざるとに関わらず、バブーリャは、残された家族、つまり残された娘、息子、孫、ひ孫、ひひ孫たちのために可能な限りの準備をし、努力を開始します。

そのひとつが、まず、デブになる!ことなんです。
どんな非常時がやってきてもそれに耐えるだけの、体力とエネルギーを蓄えておくためです。
つまり、都会の人間が、飽食と運動不足でデブになるのとは、根本的に意味がちがいます。

いわば、クマの冬眠と同じです。(汗…。)

冬が来て、食べるものがなくなったときに備えて、事前にしっかりとエネルギーを蓄えておくのです。
ただでさえ少ない食糧を、自分は食べずに、家族を食べさせるためです。
動物にとっての冬は、人間にとっての飢餓状態ですね。
かつてのソビエト、そしてそれ以前のロシアでは、なんども飢餓状態が襲いました。
そのために、ロシア人は、来るべき厳しい冬(自然の冬+経済的な冬)に備えて、常日頃から、糖分と脂肪分を大量に摂取します。
前にもいったように、ロシアの特に女性は、コーヒーにも紅茶にも、異常なほど大量の砂糖を入れて飲みます。チョコレートを食べる量もハンパじゃありません。(だからでしょうが、ロシアのチョコレートは非常に安いくせに、非常においしいです!)
糖分は、体のエネルギー源です。
つまりそうやって、大量の糖分をグリコーゲンに変えて、体内にしっかり蓄積しておくのです。
生きるために必要なエネルギーが不足してくると、体は蓄積しておいたグリコーゲンを糖分に変えて、せっせと補給します。
脂肪も同じです。
バブーリャのこのあり余った脂肪は、いざ!というときのための大事な蓄えなんです。

だから、ふつう、このデブちんバブーリャたちは、2〜3週間くらいなら、何も食べなくても平気です!(汗…。)(ホントです!!)
そうやって、自分が食べない分の食糧を、愛する家族たちにまわすのです。(涙…。)
そんな日頃からのバブーリャのほとんど自己犠牲的な行動や心づかいを前にして、家族たちが尊敬しないわけがありませんね。

ま、私ヤクーニンが「ロシア人にとって、いかにバブーリャが愛すべき偉大な存在か!」についてくだくだと説明するより、ロシア人自身がそのことを唄った感動的な一曲をご紹介しましょう!(んなら、最初っからそうしろって。)

曲名はそのものずばり!「バーブシカ」(おばあちゃん)。
歌っているのは、「リュベー」というロシアの国民的な人気グループです。
あとで当ブログで紹介するつもりですが、このリュベーというグループは、ロシア人の大好きな、ちょっと悲しげでスローな曲調と、意味の深い、美しい歌詞で、あらゆる世代から支持されています。

では、まずはそのすばらしい歌詞の内容をご説明しましょう。

----------------------------------------------------------------
人生は思ったようにはいかないもの
いつも願ってるのとは逆の方に行ってしまう
でも、おばあちゃんだけはちがう
どんなにつらいときも、ぼくたちをやさしく受け入れて、すべてをわかってくれる

おばあちゃんにとって、ぼくたちは永遠に小さな孫のまんま
だからぼくたちは、激しい雨が降ったとき、寒い風が吹いたとき
急いであなたに駆け寄って
いつだって、そのやせたしわだらけの手を取って
そっとほほに当てるんだ

ゾーヤおばあちゃん、ニーナおばあちゃん
ターニャおばあちゃん、パリーナおばあちゃん…
ああ、おばあちゃん、心から愛してるよ

だれにも言えない秘密でも、おばあちゃんにだけは打ち明けられる
あなたはいつも家族のことばかり心配してる
そして、必ずぼくたちを安心させる言葉をかけてくれる
いつだって、家に戻る道すがら、ぼくたちが喜ぶような
手作りのお菓子や手編みの手袋やいろんなものを
そっとぼくたちの小さなかばんに忍ばせておいてくれるんだ

ああ、おばあちゃんの部屋にいると、なんて心地いいんだろう
ああ、その瞳はなんてあたたかくて優しいんだろう…
いつも自分のことより家族のためにお祈りをしてる
小さいときも今も、ぼくを守ってくれ、あたためてくれる

会えばいつだって、ぼくたちのことをじっと見つめてほほえんでくれる
ぼくたちにすべての安らぎを与えてくれるのは、おばあちゃんだけ
ああ、どうかずっと元気で生きていて
そして、どうか許してください
ぼくたちの人生が、もしあなたのお祈りどおりにいかなかったとしても…
----------------------------------------------------------------

う〜〜〜〜……、う、う、美しい歌詞ですね〜…。(涙…。)
では、美しいバラード調のワルツ、リュベーの名曲、「バーブシカ」をお聴きください!



う〜〜〜、
か、か、かわい〜〜ですね〜〜! バーブシカたち!!
何度となく人生の荒波を乗り越えてきただけあって、味のある、いい顔してますね〜っ!
いまは、デブでしわくちゃになってしまったバブーリャですが、おそらく、み〜〜んな、若かりしころは、さぞや宝石のように美しい美しいロシア女性だったことでしょう…。

それでは今回の最後に、イヴァン・クパーラが、そんなバブーリャたちの今は過ぎ去りし青春に捧げた、スローテンポの美しいバラード曲、「モーラダスチ」(若かりしころ)をご紹介しましょう。
詞は非常に短いです。

--------------------------------------------------------------
歌を唄うと、自然に涙が流れてくる
昔の若かりしころを思い出して…

青春はどこかへ行ってしまった、なんにも言わずに…
そして老いがやってきた、頼みもしないのに…

歌を唄うと、自然に涙が流れてくる
ああ、私の青春はどこへ行ってしまったの…
--------------------------------------------------------------




では、次回もぜひぜひお楽しみに〜〜手(パー)

ダ、ダ、ダスビダーニヤ〜〜〜!!
(続く、つもり…たらーっ(汗)




posted by クミートリー・ヤクーニン at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。