2010年06月10日

ファーブリカ(2)

ズドラーストヴィーチェ!(こんにちは!)

前回は、「ファーブリカ」という3人組女性グループの代表曲をご紹介しましたが、いかがでしたか?

歌詞の内容はたわいもないかもしれませんが、サウンド的には、メロディー重視で、とっても素朴、だと思いません?
だから、音楽的才能がない人(あなたではありません)にも覚えやすい。

アメリカや日本のポップスみたいに、バックの音がこれでもかこれでもか!というぐらいに緻密に濃密にコテコテにこりまくって作られているのとは対局にあります。

このシンプルさこそ、いわばロシアン・ポップスの特徴であります。
ま、いってみれば、ワーグナーとサティとの差、みたいなもんでしょうか…。(^o^)!

あるいは、確かにおいしいけれど、手を加えすぎてソースの成分がわけのわかんないおフランス料理と、素材が勝負のさっぱり&シンプルな美味の極致、お刺身の差、とも…。(しつこい…)

ちなみにバックには、ロシアの民族楽器、バラライカと、アコーディオン(ロシアでは、ガルモーニといいます)が入っていて、わかる人にはちょっとエキゾチックに聞こえると思います。

ま、わたしがくだくだ言うより、ロシアン・ポップスの素朴さを証明するような「ファーブリカ」の2曲目、いってみましょう!

曲名は「リョーリク」です!

内容は、仲良し3人組の女の子が、それぞれ自分たちの恋人(リョーリク、サーニャ、パーシャ)に向かって、「もちろん、あなたのことは大好き! でももうちょっと独身を謳歌したいから、まだ結婚はしないわ…」と語りかけます。

なんとか彼女をものにしたい彼氏と、大好きだけど束縛はされたくないって思う若い女の子のホンネの気持ちを歌った曲です。



ちなみに曲のなかで、女の子たちが「リョーリク」とか「サーニャ」とか「パーシャ」と呼んでいるのは、それぞれの彼氏(男の子)の愛称です。
リョーリクは、アレクセイ。サーニャは、アレクサンドル。パーシャは、パーヴェルという、ロシア人男性によくある名前のひとつなんですね。

ところで、ロシア人は愛称が大好きで、男でも女でも(こどもでもお年寄りでも)、親しい間柄では、おたがいにかならず愛称で呼び合います。

で、ロシア人の名前(姓名)ですが、苗字は無数にあるいっぽうで、名前は数えるほどしかありません。なぜか、親がこどもに、みんな、お〜んなじ名前をつけるのです(最近日本では、こどもにわけのわからない名前をつけますが、ロシアはむかしも今も変わりません)。

時代時代によって多少の流行もありますが、女の子だったら、だいたいこんな感じ。
イリーナ、エレーナ、タチアーナ、ユーリア、マリーア、アーンナ。
男の子だったら、
ユーリ、アレクセイ、アレクサンドル、セルゲイ、アントンなど。

だから、ロシアの小学校の教室で、先生が「では、イリーナちゃんは、この問題をどう思いますか?」などと質問しようもんなら、何人ものイリーナちゃんがいっせいに立ち上がって、意見を言いはじめることになります。

それぞれの名前には、昔から愛称がだいたい決められていて、

 (女性)
 イリーナ → イーラ
 エレーナ → エーリャ
 タチアナ → ターニャ
 ユーリア → ユーリャ
 マリーア → マーシャ


 (男性)
 ユーリ    → ユーラ
 アレクセイ  → アリョーシャ、リョーリク
 アレクサンドル→ サーシャ、サーニャ
 セルゲイ   → スィリョージャ
 アントン   → アントーシャ


となります。
日本で言えば、「○○ちゃん」にあたるわけです。

もっと親しみをこめて言う場合は、ふつう、上の愛称の語尾に、さらに「チカ」(あるいは「シュカ」)をつけます。
たとえば、イリーナ(女の子)だったら、イーラチカ。ユーリ(男の子)だったら、ユーラチカ。

おもしろいのは、こどもに対するそのときの感情しだいで、母親も呼び方をころころ変えます。

(1)きげんがとってもよくて、こどものほっぺたにチュッチュするようなときは、
 ユ〜ラチカ〜〜ハートたち(複数ハート)

(2)ごくふつーの精神状態のときは、
 ユーラわーい(嬉しい顔)

(3)堪忍袋の緒が切れたとき、
 ユーリ〜〜〜〜ッ!!!むかっ(怒り)

と、みごとな3段階活用となります(他の名前もおなじ)。


さあ、これまで、「ファーブリカ」の2曲を聴いてみていかがでしたか?
通常は、次の3タイプに分かれるでしょう。

(1)お、けっこういいじゃん! ロシアン・ポップスがこんなだったなんて、知らなかったねえ。(=無条件感動派)
→あなたは、ロシアの女の子や男の子とすぐに仲良くなり、恋が芽生える可能性大です! ひょっとしたら、ボルシチやピロシキ(揚げパン)など、おいしいロシア料理をたんまりごちそうしてくれるかもしれません。

(2)ふ〜ん、よくわかんないけど、ま、こんな音楽もあるんだなあ〜。(=条件つき関心派)
→あなたは、今後の努力次第で、ロシアのかわいい女の子や男の子と知り合いになれるでしょう! ピロシキぐらいはおごってくれるかも。

(3)なんだ、これ? いったいどこが魅力的なんだよ!(=無条件怒り派!)
→あなたは、ロシア人に無視され、きらわれるでしょう。そして、FSB(昔のKGB)ににらまれるかもしれません…。(^o^)!

私としては、もちろんみなさんに(1)のようになっていただきたく、次回も強力な作品をご紹介したいと思います。

乞うご期待!
(続く)



posted by クミートリー・ヤクーニン at 11:00 | Comment(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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