2010年08月10日

ヴィタス(1)

ズドラーストヴィーチェ!(こんにちは!)
カーク・ディラー?(ごきげんいかがですか!)

いやー、このブログも、はや11回目。
みなさん、そろそろ、ロシアン・ポップスの魅力に少しずつ取りつかれてきてしまったのではないでしょうか。

え? まださっぱりわからん?
わかりました。
では今回は、ロシア国内だけではなく、世界的に注目されている男性ソロ・アーティストをご紹介しましょう!

その名は、ヴィタス
ちょっと前に日本のテレビでも紹介されたことがある(らしい)ので、ご存知のかたがいらっしゃるかも。

まずは色白(美白!)、長身、ちょっとキアヌ・リーブス系のイケメン! 
これだけでも人気が出ますね。
しかし、彼がすごいのは、な、な、な〜〜〜〜んと、5オクターブ半という、チョー驚異的な声域を持ってるってことなんです。

もっとわかりやすくいうと、通常の低音からとんでもない超高音まで声を出せちゃうってこと。そう、超ファルセット唱法が売り物なんですね。
ふつーの人(そう、あなたです)の声域は、ま、せいぜい3オクターブぐらいでしょうか。
(はい。では試しに、自分が出せる一番低い音からド、レ、ミと順々にを声を出していって、いったいどれくらい高い音までいけるか、やってみましょうっ!)

どうです?
5オクターブ半ってのがどんなにすごいことか、おわかりになったと思います。

なにはともあれ、実際のヴィタスを、まずはご覧いただきましょう!
曲は、「オペラ NO.1」

歌詞は短すぎてほとんど意味不明なのですが、ま、とりあえずこんな感じです。


人はいつも多くを望みすぎる
だから、わたしたちの心は苦しむ
そして、秋風のなかでよろけてしまう
でも人は他人の喜びで満たされ、
他人の恐怖におののくもの
わたしは、そんなあなたたちを抱きしめてあげよう。
そして小さな幸せをあたえよう。
そうすれば、虫たちがその光に押し寄せるほどに、
あなたたちは輝き始める…。



なにやら、宗教じみた内容ですが、クリップもそのま〜んまです。
では、彼のイケメンぶりと驚異の声域を、どぅおお〜〜〜ぞっ!!


ま、どこかアジアの、とある場所に新しいグル(宗教の指導者)がやってきて、人々を感化してしまう…、といった内容ですね。
どうやら、ヴィタス演じるこのグルの武器は、その強烈なファルセット・ボイスのようです。

彼をあがめる信者たちは、まさにその耳をつんざく強力なエネルギーに、思わず洗脳されちゃってるって感じ…。
(これって、品を替えれば、オームの売り物だった「にせ空中浮遊」でしょうか…。(^0^)!)

しかし、ヴィタスが超高音で絶叫する場面は、あまりの力みで、こめかみの血管が「ぶちッ!!」と切れそうな迫力ですね〜〜。(汗)

ここで、もう少し、ヴィタスのプロフィールを追加しておきましょう。

彼は、旧ソ連諸国で現在のバルト三国のひとつ、ラトビアで、1981年に生まれました。
国籍は現在のウクライナです(これも旧ソ連諸国)。
で、途中は一気にはしょって(というか、情報がありません…)、19歳のときの2000年、ロシアのポップス界に突然デビュー!
繰り返しますが、その美貌と不思議な個性、そして驚異的な歌唱力で、一躍大ブレイクしちゃいます。

加えて、彼の人気の秘密は、その音楽的ジャンルの幅広さにもあります。
デビュー当時は、当然ながら、戦略的に若者が大好きな、テクノ、トランス系を前面に押し出しましたが、その後次第に、ロシアのおじいちゃんおばあちゃんが思わず涙してしまうような歌詞と、もの哀しいメロディの、いかにもロシア的なロマンチック・バラードを連発して、これまた大ヒット! 年齢を問わず、ロシア国民全体の心をがっちりとつかんじゃいます。
(これは商業戦略というわけでなく、どうやら、もともと彼は非常にロマンチストで保守的な性格のようです。)

あと、彼がえらいのは、ロシアのポップス歌手にはめずらしく、作曲も作詞もほとんど自作という点です。
ロシア国民は、彼の個性と才能にすっかり惚れこんじゃったんですね〜。
というか、そのあと、世界(日本以外)も彼の魅力に注目するようになります。(あとの回で詳述。)


ところで…、

前回、ロシアではこの夏、異常な猛暑で死者(おもに酔いどれオヤジ)が続出していることをご紹介しましたが、その後、さらにほかにも深刻な事態が持ち上がっていることが、ニュースなどで報じられています。

それは、ロシア全土で発生している、“森林火災”です!!

日本人のあなたは、
「あのさあ、別にそんなのさあ、広大なロシアのさあ、だ〜れも住んでないような山奥で起きてることだろ? 町の一般住民にはさあ、たいした問題じゃないんでねーの?」
と、ほとんどイメージがわかないかもしれません。

ところが、事実はそうではありまっしぇん!(あれ? なぜか、福岡出身、魚柄仁之助風…。)

たしかにロシアは広大です。
人々が住む町は、せまい日本のように、すぐ横にあたりまえにとなり町としてつながっているのではなく、広〜い広〜〜い広〜〜〜〜い土地のなかに、ぽつんぽつ〜んと点在してます。

そんな町と町のあいだにあるのは、ひたすらえんえんと続く、巨大な森、森、森…。(あるいは、単に広大な草原、草原、草原…。)
つまり、一歩、町の郊外に出ると、ある瞬間から、手つかずの大きな森林(=大自然)が、こつ然と目の前にあらわれる感覚です。
(これは、モスクワやサンクトペテルブルグのような大都会でも同じです。)

で、ロシアの気候(空気)は、冬も夏も、ひじょーに乾燥しています。

たとえば、夏晴れ
もちろん日が当たるところはかなり暑いですが、日陰に入ると、突然ウソのように涼しくなります。風が吹いていると寒いぐらいです。
なので、「あ、ロシアの風、気持ちいいな〜〜」などとそのままのんきにくつろいでいると、すぐに風邪を引きます…!(汗)
というわけで、高級ホテル以外のフツーのホテルのフツーの部屋では、クーラーなんかありません。

つまり、こんなに乾燥した気候なので、とくに夏の高温時になると、なにかのきっかけで、ロシアの母なる森は突然、自然発火してしまいます!
(もちろん、ロシアのことですから、タバコのポイ捨てで火災になることも、多々あります。)

今年はロシアの気象観測史上、まれにみる異常猛暑なので、とんでもなく多くの場所で(なんとシベリアでも!)大規模の森林火災が起きてます。
でも実は、例年のフツーの夏であっても、この森林火災はごく自然に起きるんですね。

で、最初の疑問に立ちもどります。

ロシアの森林火災は、遠い山奥だけで起きることではありません。
森が町を囲んでいるような場所が多いので、そのまま放っておくと、自分たちが住んでる町のすぐそばまで延焼してくる、こわ〜〜い災害なんです。

森林火災がおきるとどうなるか?

まず、ものすごい煙が発生します。
その量はときには空を覆うほどで、町に流れこむと、深い霧のように、ほとんど10メートル先も見えないくらいになります。
そして、町中がものすごく焦げくさい匂いに包まれます。
(場合によってはむせるほどで、ふつうに息をするのもむずかしいくらいになります。もちろん、窓なんかあけてられません。)

それくらいならまだいい(?)のですが、非常に危険なのは、大丈夫だろうとあなどって、車で町と町を結ぶ道路を進んでいくうちに、そのすぐ脇にせまる森からの火と煙と倒木でとつぜん八方ふさがり状態になってしまうことです…。

以前、私も、夏にモスクワから郊外の田舎町に車で移動する途中、何度か道路が森林火災によるものすごい煙で通行止めになっていたのを経験したことがあります。

「またぁ〜。〜んなこと言ったって、たいしたことねーだろー?」

と、ロシアの大自然の脅威をバカにするかたがいらっしゃるかもしれませんので、わたしの話を証明するような、まさに緊迫感あふれる映像をごらんにいれましょう。

車に乗った若者たちの一行が、両脇が森の道路を進んでいくと、とつぜん燃え上がる火の海に遭遇してしまい、そのなかを命からがら通りすぎていくという、迫真の映像です!
(英語の字幕がついてますが、「止まれ!」とか「戻れ!」とか、かんたんな単語ばかりなので、彼らの会話がだいたいわかると思います! 今年の夏の、最新の映像です。)


付け加えておきますが、これは、彼らが別に燃えさかった森のなかに迷いこんだわけではありません。ふつーの道路をふつーに進んでいったら、突然、このようなおそろしい状況に遭遇したということです。
しかも、これは夜ではありません…。
日中なのに、ものすごい煙のために、とつぜんあたりが(町も!)夜のように真っ暗になってしまうという、と、と、とんでもない状況なのです。

先ほども言いましたが、これは別に地方で起こることではありません。
大都市モスクワの郊外でも、毎年のように、あたりまえに起きてることなんですね。

これが、ロシアです…。

こ、こ、こわ〜〜〜いですね、ロシア!!(大汗!)

…。
ああ〜、またも余談が長くなってしまいましたあせあせ(飛び散る汗)
今回は、「イケメン・ヴィタスと、ロシアの森林火災の恐怖」(なんのこっちゃ!)でした…。
どうか懲りずに、次回もどうぞお楽しみに!

ダ、ダ、ダスビダーニヤ!(さ、さ、さようなら〜〜〜〜!)
(続く)


posted by クミートリー・ヤクーニン at 15:04 | Comment(4) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
初めまして!石川了と申します。
無料のコミュニケーションサービス「てぃえば」の、「VITASの部屋(VITASファンの書きこみスペース)」の管理人をしております。

ロシアンポップはもちろん、その背景にある歴史、風習の説明、織り込まれる時事ニュースが素晴らしいです。そして、なんといっても文章が大変、大変、面白く、ためになるので、VITASの部屋で紹介させていただいてもよろしいでしょうか?
Posted by 石川了 at 2011年02月22日 14:25
石川さま

わざわざ、遠路はるばる我が「ロシアン・ポップス〜」までお越しくださって、大変ありがとうございます!
実は、日本に最も近い外国のひとつなのに、ロシアやロシア人のことって、日本人にはまだまだ知られてないですよね。
それに、いろいろ誤解もされてます。(最近特に!)
そんなわけで、ロシアの音楽をきっかけにして、日本のみなさんに、ロシアやロシア人のほんとうの姿に興味を持ってもらえれば、と思い、日夜(?)努力しております。
ぜひぜひ、「VITASの部屋」でのご紹介、お願いいたします!!

そして、一緒に「ロシアン・ポップス」の魅力を広めていきましょうね!!!
Posted by クミートリー・ヤクーニン at 2011年02月22日 14:55
クミートリー・ヤクーニン様

 VITASの部屋での紹介を快諾してくださり、有り難うございます!先ほど、早速書き込んでまいりました。沢山の方がこのブログを訪問してくださると良いですね。
VITASの部屋・・・http://tieba.baidu.jp/f/VITAS
VITASのバックグラウンド、ロシア、東欧、ロシア雑学何でも!のトピック・・・http://tieba.baidu.jp/f/VITAS/pb?t=103337

 今までも何度も「ロシア」「VITAS」でネット検索をしてきたのに、なぜ見つけられなかったのか、悔やまれます。もともと日本人にはロシアの旋律になじみがあるので、現代ロシアンポップスもみんなで楽しめるようになればいいですね。
 西欧人と比較して、ロシア人には素朴で大地に根ざした生命力を持っているイメージを持っています。
Posted by 石川了 at 2011年02月22日 21:22
石川了さま

早速に、「VITASの部屋」にご紹介いただいて、ほんとうに心から感謝もうしあげます!
VITASを通じてロシアン・ポップスの魅力に触れたかたがたが、このブログにいらっしゃって、もっともっと他のロシアのアーティストに興味を持つきっかけになったらいいな〜と思ってます。
申し訳ありませんが、こちらのブログは、毎日更新!というわけにはいかないので、ちょっと時間はかかりますが、ぜひ次回の私の書き込みでは、石川さまの「VITASの部屋」をご紹介するつもりです。
今後とも、ぜひご一緒に、ロシアン・ポップス、ロシア、そしてロシア人の魅力を伝えていきましょうね!
Posted by クミートリー・ヤクーニン at 2011年02月24日 01:41
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