2011年10月14日

グリュコーザ(1)

ズドラーストヴィーチェ!(こんにちは!)
ウ・ヴァース・フショー・ハラショー?(人生、すべて順調ですか〜?)

だいぶ前になってしまいましたが、前回の特別編、ロシア家庭料理の「ブリヌィ」はいかがでしたか?
レシピー通りにちゃんと料理して食されたかたは、おそらく満足いただけたと思うのですが…(とっても心配!)。

さ〜〜て、およそ100年ぶりチックの更新になる今回は、満を持して、ふたたび本題のロシアン・ポップスがテーマ!  しかも、超ユニークな女性ボーカリストとそのグループを紹介していきますよ!
はい! その名も、 「グリュコーザ」!!

といっても、そのまんまじゃ、意味がわかりませんね…。 「グリュコーザ」ってのは、日本語の「グルコース」の意味です …。
ん? それでも、わからん…。さっぱりわからん!!  

はい。たぶん、そうでしょうね。 じゃあ、しかたがない…。お教えいたしましょう。 「グルコース」ってのは、「ぶどう糖」のこと!
…ん? だから、「ぶどう糖」ってなに? で、それがどうしたっていうの?? ああ、さっぱりわからん!!

はい。
いかにも変なグループ名ですが、その理由は後日、あきらかにするとして、とにかく、このグループの不思議な魅力を一刻も早くおわかりいただきたく、早速、一発目の曲をご覧いただきましょう! 曲名は、 「ニナヴィージュー」(大きらい) 2002年、グリュコーザの最初のビデオ・クリップです。

歌詞の内容はこちら。
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街の灯り、水たまり…
わたしは雑踏のなかを わけもなくさまよってる
涙であんたも世の中もよく見えないのさ
もうどうでもいい あんたなんかいらないよ
わたしは 新しい恋のために飛び立つの

バッグのなかには、香水とタバコ、深夜映画のチケット
もうなにもこわくない ひとりで歩いていける
でも わたしの次の恋はどこにあるんだろ?
夜がふけたら こう叫んでやる

あんたなんか、大きらい!

ああ、それなのに またいまさら電話をかけてくるなんて
これがわたしの恋なんだ たったいまの…
夜がふけたら こう叫んでやる

あんたなんか、大きらい
あんたなんか、大きらい…
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はい。
まずは、歌詞の内容もですが、どこかふてくされてて、しかもどこかブ細工な女の子が主人公。
しかも全編CGアニメのこの作品は、当時、どれもがすっかりアメリカ風になっていたロシアン・ポップスのビデオ・クリップのなかではチョー異色。ロシアの若者たちをほんの一瞬「おや?」と思わせたのでした…。


では、今後の説明の作戦もありまして、間髪を入れず、2発目、行ってみましょう〜〜っ!
曲名は、「ニヴェースタ」(花嫁)。

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だれもいない真夜中
わたしにはわかる。あんたが来るのが
でも、ひょっとしたら
わたしのことを忘れてしまったかも…
あんたは、昨日電話ですべてを告白したけど
とりあえずいまは それをポケットに突っ込んで
わたしはドーベルマンを連れて真夜中の街を行く…

そのとき車が止まり、クラクションが鳴った
そしてあんたが近づいてきた
ふっ、真っ白なおいしいケーキみたいにさ
ああ、あんたを だれにも渡すもんか
わたしはお風呂につかってる
もうすぐあんたを味見してやるために
そして一緒に頂点まで行ってやる…

わたしはあの女の替わりに、あんたの花嫁になる
絶対に、絶対に…

わたしたちは タランティーノの映画を見に行くために
車の真っ黒なワニ革のシートにすわってる
ああ、あんたのたくましいからだ…
わたしはどうやってそれをものにしたんだろう

ふっ、わたしはあの女の替わりに、あんたの花嫁になってやる
絶対に、絶対に…
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す、すごいですね〜〜! こ、こ、こわいですね〜〜! 恋におぼれてしまった女子の行動! きょ、きょ、強烈ですね〜〜!、恋におぼれた女子のエネルギーexclamation
います、います! 日本にもこういう女子!!

ではクリップのほう、行ってみましょう〜〜っ!!



はい!
またしても主人公は、例のふてくされた、ニヒルでアヒルの子みたいな、ブ細工少女。
そして、アニメの内容はより過激になってます!(歌詞の具体的な中身とは、ちょっとかけ離れたところも多々ありますが…)
そして、歌詞のとおり、グリュコーザはタランティーノにそうとう影響を受けてます。

そう、タランティーノの日本趣味同様、クリップの最後のほうは、高倉健が仇(かたき)のヤクザに決死で討ち入りする様子、そのまんまですね〜!

「ええ〜い、ちくしょうめっ! なんだって、あたいはあんな男に惚れちまったのさ!」と思いながらも、その惚れちまった男を絶対にモノにするために、このブ細工少女、な、なんと、バスをハイジャックし、次にはヘリコプターをハイジャックし、男のいまの彼女であろう女子をブっ倒すために、なんと純白の花嫁衣装を身にまとい、日本刀を背にして、憎き恋仇(がたき)を相手に激しい立ち回りを演じ、ついに思いを遂げちゃいますです。

結局それは、ああ悲しいかな! クリップの最後を見ればわかるように、彼女のはかない夢にすぎなかったわけですが…もうやだ〜(悲しい顔)

デビュー当初のクリップでロシアの若者の気を何気に惹きつけておいた作戦が功を奏して、このクリップがテレビで流れるやいなや、グリュコーザの人気は一気に大爆発、大炎上!したのでありました。

ニヒルでふてくされた、みにくいアヒルの子みたいなブ細工な少女に、ついに、ロシアのほとんどの若者みんな、つまり、美人でもイケメンでもなく、いつだって「片思い当たり前!」の多くのロシアン女子たち、そしていつだって「片想い当たり前!」の多くのロシアン男子たちが、大共感し始めたのであります!(う、う、う〜…、これって、俺そのものだ…)

ところで、これまでの曲を聴いて、グリュコーザが作る曲の基本的な特徴が、もうよ〜〜くおわかりになったのでは?

当時のロシアのポップス界は、アメリカン・ポップス、西ヨーロッパ・ポップスの影響で、モダンなアレンジの、アップテンポな曲が全盛だったなか、このグリュコーザの生み出す曲は、なんだかとてもノスタルジック。

あの懐かしのベンチャーズ、スプートニクスのような60年代サウンドを基調に、でもそれに現代的な分厚いベースの音を思いっきりかぶせせたりしちゃったりなんかしちゃったりして、そしてそこにハイセンスで現代的なアレンジをほどこしちゃったりして、実は最先端の、いわゆるニューパンク調で突っ走っちゃったりしちゃうわけだったりしちゃうのでありますね。(ええい、うざったい!)

さ〜〜て、これらの大ヒットによって、最初は、「なんなの、いったいこいつら?」と思われていた、この「憎まれっ子世にはばかる」的なブ細工少女が、実は自分たちとまったく白タク、同じ境遇にあって、等身大で自分たちの不満や不安を代弁してくれる、とっても愛すべきキャラクターとして、若きロシアン女子たちに認知され、支持され、共感されるようになります。

そしてグリュコーザは、より深く、若きロシアン女子たちの、はかなく、切なく、意味なく、いわれなく、理由なく、途切れなく、縁もなくお金もなく、泣く泣く、ごく薄のガラス細工のように不安で繊細でこわれやすい微妙な乙女心に踏み込んでいきます。 その結果生まれたのが、これからご紹介する、ああ、詞も曲も非常に美しい、涙が出るような名作バラードであります。  

曲名は…、 「スニェグ・イデョート」(雪はふる)。

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あんたにかけた ケータイの呼び出し音が
いまも ず〜っと鳴り響いてる

なんて言ったらいいのか わかんない
でもたぶん告白するわ 好きだって

雪がふる 雪がふる
わたしのほほをたたくように

もうあんたに病気なの 熱にうなされるぐらいに
だから 立ったまま あんたをずっと待ってる バカみたいにさ

小さな雪が 口に突き刺さる 北風がふきつける
でもわたしは なんにもできないでいるだけ

あそこに あんたはいない…
でも 雪はふる…

わたしにはわかる 悲しい答えしか待ってないって
でもかまわない あんたの家の窓をじっと見てる
きっと あんたが現れるから

雪がふる 雪がふる
わたしのほほをたたくように

もうあんたに病気なの 熱にうなされるぐらいに
だから 立ったまま あんたをずっと待ってる バカみたいにさ

小さな雪が 口に突き刺さる 北風がふきつける
でもわたしは なんにもできないでいるだけ
あそこに あんたはいない…

雪はふる… 雪はふる…
----------------------------------------------------------------




と、またしても、ブ細工少女が登場して、寒む〜寒む〜極寒む〜!のロシアの冬に降りしきる雪のなかで、カンペキ片想いの彼に対する、成就しないだろう切ない、でもどうしても自分を愛してほしい恋心を伝えようとする気持ちを、切々と歌に託します。(ああっ、それは俺だぁぁぁ…)

片想いで苦しむ多くの、おそらくロシアの約2千万人の若者女子、男子たちの気持ちを代弁するその詩と、それにかぶさった、シンプルで美しく、もの悲しいメロディーによって、この曲は、2000年初頭の当時のロシアで記録的に大ヒットすることになります。

でもさあ、どうしてさあ、いつも主人公の女の子はアニメばっかりなのさ…????
あ〜〜っ! ひょっとしたら、歌っている本人もこのアニメの主人公のようにブ細工だから、その正体を明かそうとしないんじゃない?!

グリュコーザの人気が急上昇していくにつれ、そんな疑問がロシアの若者のあいだにも、同じ曲線を描いて急上昇で広がっていったのでありました、さかのした、くつした、たけした、やました、もりした、もりした、もりした………(以下、山びこ状態)。

と、と、ところが…、…、…。 というところで、次回は、ついに暴かれる、グリュコーザの驚くべき正体をご紹介!!!

ダスビダーニャ〜〜〜!!!
(この展開なら、たぶん、もうちょっとだけ続けられるかな〜〜…)
posted by クミートリー・ヤクーニン at 00:00 | Comment(2) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
「雪はふる」の歌、Youtubeで見つけて、とても気に入っていたので、歌詞の意味が分かってうれしいです。ありがとうございます♪
Posted by karina at 2011年10月15日 22:14
karinaさま

ズドラーストヴィーチェ!
コメントへのお返事がたいへん遅くなり、失礼いたしました。
つたない当サイトにお越しくださいまして、いつもありがとうございます。

わたしも、グリュコーザの曲のなかでは、一、二を争うぐらい、この曲が好きです。
シンプルなメロディーラインともの悲しい歌詞が、なんともいえず、心に残ります。

それにしても、欧米の英語ポップスと違い、ロシアン・ポップスの魅力がなかなか日本人に伝わらないのは、やっぱりロシア語がぜ〜〜〜んぜんわかんないかたが多いのも一因ですね。
ほんとうは、YouTubeの映像に直接、日本語の歌詞を字幕で入れられたらいいのですが(技術的には可能なのですが)、著作権の問題等もあって、それができないのが残念です。

これからも、歌詞はできるだけきちんと正確に訳してご紹介していくつもりですので、ぜひまた当サイトをのぞいてみてくださいませ!
Posted by ヤクーニン at 2011年10月18日 17:54
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